宮 崎 佐 和 子  Miyazaki Sawako

浄法寺町で採ったうるしを使った作品の前で。
「和うるしって本当に描きやすくて楽しい!学生時代に使っていた中国産うるしは
もう使えない」と宮崎さん。うるしの代わりにアクリル画材等で同じ作品にチャレ
ンジしてみたこともあるけど、素材感の差にがく然としたそう。「まさに木が作っ
てくれた絵の具ですね」

 

宮崎さんは「うるし」を工芸の枠だけに抑えられず、ついにキャンバスに絵を描くための「生きた絵の具」にしてしまった異色の漆作家です。自然と小鳥を愛する彼女の絵のモチーフはもっぱらスズメ。小鳥は、欲しくても手に入らないモノの象徴なのだそうです。普通に就職し、出版社で堅実なキャリアを築き上げていた彼女が職人の世界に飛び込んだきっかけは「喪失感」。昔から、失われていく日本の歴史や伝統に深い興味を抱き続けてきた宮崎さんは、今こそ若い世代が、日本人として受け継がれたアイデンティティーを探し集める作業をするべき時だと考え、それを表現する最高の手段として漆を選んだのです。その後は、漆芸研究所で出会った松本さんと共に着々と、独自の世界を築きあげてきました。他分野からきた彼女には、良くも悪くもうるしに対する先入観はありません。それが、ある種の強みとなっているのかもしれないですね。本人いわく「不器用で根性なしなのに、なんでこんな仕事してるのかわかんない」とのこと。


宮崎佐和子
1969年、香川県丸亀市出身。高松工芸高校卒。出版社勤務ののち、香川県漆芸研究所の研修生を修了。2000年、香川県の国内研修制度の研修生として、東京都青梅市の朱文筵工房と岩手県安代漆器センターにて、生活の器作りを学ぶ。各地でうるし掻きを体験し、2001年松本と工房をひらく。現在は主にうるしの絵画を手がけている。
日本文化財漆協会会員。

 

エッセイ・わたし の視点「和うるしの可能性を信じて」/商い情報かがわ

宮崎佐和子うるし絵展紹介/毎日新聞 記事

コラム「違和感」/山陽新聞


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